2014年10月13日月曜日

新馬展望 2014-2015 その39 10月13日(月)



 三日間開催の三日目は京都競馬が台風19号の影響で中止、明日に延期となりました。したがって今週は四日間開催となります。週の半分以上を競馬と共に過ごせるとは何と迷惑な話でしょうか(笑)。


 東京第4レース芝1400m14頭立てはデュランダル産駒①アップセッターの複勝を100円買います。



 アップセッターの馬名は30年前にも存在していました。1983年の第1回ニュージーランドトロフィーや新潟記念を制したダンディルート産駒「小さな巨人」と呼ばれたアップセッター(以下元祖アップセッター)です。




 元祖アップセッターは1982年7月、新潟の新馬戦(芝1000m)でデビュー、3戦目の未勝利(芝1600m)を勝ち上がりました。3歳(当時、現2歳)暮の葉牡丹賞(芝1600m)が2着、明けて4歳(当時、現3歳)初戦の400万下(ダート1600m)2着後、中山の桜草特別(芝2000m)を1番人気で快勝、白藤賞(芝2200)、NHK杯(芝2000m)連続3着後、この年新設された第1回ニュージーランドトロフィー4歳ステークスを1番人気に応えて快勝しました。


 ラジオたんぱ賞、関屋記念連続2着で迎えた新潟記念を1番人気に応えて2.01.1のレコードで快勝、400キロを切る馬体から「小さな巨人」と呼ばれたのです。


 父ダンディルートは当時大流行した種牡馬です。トウショウゴッド、エイティトウショウ、トウショウペガサスなど、鋭い切れ味を見せる中距離馬を多数輩出しました。代表産駒はシンボリルドルフのライバルだったビゼンニシキです。ルドルフとの初対決となった弥生賞では2着に敗れはしたもののルドルフを抑えて1番人気に推されたほどの素質馬でした。


 母クレイジーキルツの血統は日本に存在したサラブレッドでも歴史的意義という点では最上位となります。クレイジーキルツの母はヘザーノーブル、その母メイドオブフライトはケルソの母でもあります。すなわち元祖アップセッターの母クレイジーキルツはケルソの姪にあたります。


 1960年から64年まで、5年連続全米年度代表馬となったケルソは騸馬としては後に続くフォアゴウ(1974、75、76年の年度代表馬)、ジョンヘンリー(1981、84年の年度代表馬)を凌ぐ人気を誇っています。1999年にブラッドホース誌が選出した「20世紀のアメリカ名馬100選」ではケルソが第4位、フォアゴウが8位、ジョンヘンリーは23位に選出されています。


 元祖アップセッターの曾祖母となるメイドオブフライトの父はカウントフリート、ブルメアはマンノウォーです。「20世紀のアメリカ名馬100選」第1位がマンノウォー、第5位がカウントフリートなので、元祖アップセッターは「20世紀のアメリカ名馬100選」の第1位、4位、5位と深いつながりを持っているのです。


 「20世紀のアメリカ名馬100選」第1位のマンノウォーは通算21戦20勝。唯一2着に敗れたサンフォードメモリアルステークスを勝ったのは「番狂わせ」の意味を持つ「アップセット」でした。アップセットはマンノウォーを破った馬として知られていますが、「アップセッター」の馬名は、元祖アップセッターの血統表5代目に出てくるマンノウォーを破った「アップセット」に由来するものでしょうか。