2014年7月13日日曜日

神の馬



 ラムタラ号の訃報が伝わっています。


 1995年のエプソムダービーを僅か1戦のキャリアで制した衝撃のニュースは世界を駆け巡りました。次走のキングジョージを制したラムタラは凱旋門賞も制し「神の馬」となって引退、日本で種牡馬生活を送ることとなります。


 当時社台のサンデーサイレンスが競馬界を席巻していたところ、アンチ社台勢力が30億円で買ってきた訳ですが大失敗に終わっています。ラムタラの父ニジンスキーの血統はマルゼンスキーの成功により大量に日本に入ってきましたが成功とは言い切れない成績です。もちろんラムタラが最大の失敗事例ですが。


 そのラムタラがブルードメアサイアーとして甦ってきました。2012年春の天皇賞、父マンハッタンカフェ、母の父ラムタラのヒルノダムールが11番人気で制したのです。



 当ブログは本日の中京第5レース新馬戦において父サクラプレジデント、母の父ラムタラのビヨンジオールを中心に据えました。1億8千万円の断トツ一番人気アドマイヤロワを打ち負かし2着に入っています。ビヨンジオールはニジンスキーの3×4、18.75%の奇跡の血量を持ちます。筆者は今朝、アドマイヤロワの母父の「エルティッシュは自身がターントゥの18.75%を持っており、ディープインパクトとのインブリードはお奨めできません」と書いています。ここが血統の不思議なところで、インブリードがダメと決まっている訳ではありません。但し、過度なインブリードは成長が止まる可能性を秘めます。強烈なインブリードはインパクトが強く、偶然の成功事例を囃すことが多いのですが、サラブレッドの生産はアウトブリードが基本です。ラムタラ自身、ノーザンダンサーの2×4、31.25%の強烈なインブリードでした。「神の馬」と言われた原動力がこの強烈なインブリードにある事は疑いようもありませんが、それが種牡馬としての失敗をもたらした原因となったことを知るべきでしょう。