2016年12月27日火曜日

インブリード


 当ブログは、馬産の基本はアウトブリードにあると考えていますが、爆発力を呼び込むインブリードの魅力は人々を惹きつけるものがあります。

 3×4(又は4×3)「18.75%」は奇跡の血量と呼ばれ、トウショウボーイが「ハイペリオンの3×4」を持つことから広く世の中に行き渡りました。


 3×3「25%」以上の強烈なインブリードは光と影を持ちます。


 ノーザンダンサーの3×3「25%」を持つフサイチコンコルドは体質の弱さに悩まされダービーはデビューから3戦目。当日は輸送熱により出走も危ぶまれた程でしたが、レース本番では「音速の末脚」を繰り出して優勝しました。体質の弱さは解消されず、5戦しただけで現役引退を余儀なくされましたが、種牡馬としては成功して20歳過ぎまで生きました。


 スペシャル、リサデル姉妹の4×4×3「25%」を持つエルコンドルパサーは史上最強馬とも呼ばれる競走成績を残し、凱旋門に最も近づいた競走馬でしたが、7歳で早逝しています。少ない産駒から3頭のG1馬を輩出しているだけに惜しまれます。


 レディアンジェラの3×2「37.5%」を持つノーザンテーストは通算10度のリーディングサイアーとなり、33歳の長寿を誇りましたが、ノーザンテーストの成功が今日の社台一極集中という光と影をもたらしました。


 さて、ソニンク一族にも強烈なインブリードが誕生します。


 ソニンクの仔モンローブロンドの娘カーヴィシャスの初年度交配相手はロジユニヴァースとなりました。ロジの母アコースティクスの母がソニンクとなりますので、2016年2月22日産まれのこの牡駒は「ソニンクの3×3」を持つこととなります。走れば種牡馬として成功する可能性がありますね。


 更に、アコースティクスの2016年1月22日産まれ牝駒の父はヴィクトワールピサです。アコースティクスの母ソニンクの父はマキアベリアンで、ヴィクトワールピサの母ホワイトウォーターアフェアの父もマキアベリアンなので、この牝駒は「マキアベリアンの3×3」を持つこととなります。


 これには「ちょっと待った!」(←「ねるとん」か!)と絶叫させていただきましょう。ソニンクの娘にヴィクトワールピサを付けると「マキアベリアンの3×3」となりますが、ソニンクの孫娘にヴィクトワールピサを付けると「マキアベリアンの3×4」の産駒を作ることができるのです。


 ソニンクの娘ルミナスポイント、その娘ジューヌエコール(すなわちソニンクの孫娘)が繁殖に上がるまで待ってもらいたかった。ジューヌエコールにヴィクトワールピサを付けると「マキアベリアンの3×4」と「サンデーサイレンスの3×4」のWクロスが完成するのですよ!


 一足先に繁殖入りしたビキニブロンドもヴィクトワールピサを付けると「マキアベリアンの3×4」と「サンデーサイレンスの3×4」のWクロスが完成しますが、ビキニブロンドの初年度交配相手はオルフェーヴルでした。5月29日の遅生まれなので、1年空胎が必要でしょうね。