2015年3月8日日曜日

史上最高の桜花賞




 今でも「史上最高の桜花賞」と言えば多くの方が京都で行われた1991年桜花賞を挙げています。


 一番人気は抽せん馬イソノルーブル。ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス、トライアルの4歳牝馬特別など5連勝、逃げて差すレース振りは無敵を思わせましたがレース直前に落鉄。蹄鉄の付け替えを拒否したイソノルーブルは5着に敗れ、「裸足のシンデレラ」と呼ばれました。

 二番人気はノーザンテースト産駒ノーザンドライバー。デイリー杯3歳ステークス、ペガサスステークスと重賞2連勝で臨みましたが3着に敗れました。三番人気は札幌3歳ステークスとクイーンカップを勝ってきたスカーレットブーケ。こちらもノーザンテースト産駒でしたが4着に敗れました。五番人気は函館3歳ステークスとシンザン記念を勝ってきたミルフォードスルーでしたがこちらは15着に敗れました。


 上記4頭は何れも重賞2勝馬でしたが、勝ったのは重賞未勝利ながら無傷の3連勝で四番人気に支持されたトウショウボーイ産駒シスタートウショウです。そのシスタートウショウ号の訃報が伝えられています。


 当時、以前勤めていた会社で大阪に転勤していましたので、重賞未勝利ながら圧倒的なキレを発揮するシスタートウショウの単勝1万円を握りしめて京都競馬場で観戦していました。筆者の期待通り、先行集団の後ろに付けて4角で早くも先頭に立ち、2着ヤマノカサブランカを2馬身突き放す快勝でした。連勝複式馬券は3着のノーザンドライバーとの一点だったのでハズしましたが。


 オークスの前夜、珍しく麻雀で10万円の大勝ちをしました。圧倒的一番人気シスタートウショウの単勝10万円一点勝負でいこうとしましたが、思い直して単勝を4万円、単枠指定シスタートウショウの❼枠から、ミルジョージ×サンプリンスの長距離血統レイホーロードとトライアル勝馬ヤマニンマリーンが同居した❽枠に❼-❽4万円、あとの2万円は忘れましたが麻雀の勝ち分10万円の勝負にいったのです。レースはイソノルーブルが逃げ、シスタートウショウは最後方。イソノルーブルが逃げて差すところを、シスタートウショウが直線だけで怒涛の追込みを見せてハナ差まで迫ったところがゴールでした。眼中になかったイソノルーブルがもう一頭の❽枠に同居していたため、連勝複式❼-❽700円を4万円的中させました!まだバブルの余韻が残っていた頃で、儲けたお金はガレリア・プロバ奈良支店で買った絵に化けました。プロバも奈良にまで出店していたのです(笑)。


 史上最高と言われる1991年の桜花賞を後検証してみましょう。イソノルーブルは初年度産駒のイソノウイナーが6勝をあげてオープンで活躍しました。2002年産駒イソノスワローがモンストールを輩出して2011年新潟2歳ステークスに勝っています。ノーザンドライバーは最後の産駒2005年産マイネランデブーがディアドムスを輩出して2014年の全日本2歳優駿を勝ち、現在も脈々とその血を伝えています。ミルフォードスルーは1994年の初年度産駒ランフォザドリームがマーメイドステークスと朝日CCに勝ちエリザベス女王杯2着、その2001年初年度産駒フィーユドゥレーヴは祖母と同じく函館2歳ステークスを勝ち、2007年産オウケンサクラは2009年フラワーカップを勝って桜花賞2着、オークス5着。ミルフォードスルーの血は脈々と伝わっています。

 タニノクリスタルはアネモネステークスでミルフォードスルーを破って六番人気。1991年桜花賞は7着でしたが2002年ダービー馬タニノギムレットを輩出して歴史にその名を刻み込みました。

 繁殖牝馬としての活躍が最も顕著なのがスカーレットブーケです。2001年産ダイワメジャーは2004年皐月賞、2006年天皇賞、マイルチャンピオンシップ、2007年安田記念、マイルチャンピオンシップを制しました。更に、2004年産ダイワスカーレットが2007年に桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯を制して有馬記念でも2着、2008年は天皇賞2着から有馬記念を制しています。


 シスタートウショウは繁殖牝馬としては不遇でしたが、「史上最高の桜花賞」を制して永遠にその名は伝わっていくこととなります。