2017年2月3日金曜日

母と子の絆


 ポール・サイモンがS&Gから独立してソロとしての初ヒットが「mother and child reunion」(邦題:母と子の絆)でした。

 競馬において、母馬とその仔馬の関係はどうあるべきかを考察してみましょう。


 当ブログは、遺伝するのは「先天的能力」だけであると考えています。走った母親の仔は、必ず過剰な期待を集めるものですが、その母親が「先天的素質」によって走ったのであればその能力は仔馬に遺伝しますが、「後天的努力」によって培われた部分は遺伝しません。


 競争能力に優れた上に繁殖牝馬としても成功した繁殖牝馬と、競争能力に優れていたものの殖牝馬としては成功しなかった事例を検証してみると、簡単に解は見出せますね。


 ハギノトップレディ(G1馬ダイイチルビーの母)、マックスビューティ(G1馬ココロノアイの3代母)、キョウエイマーチ(皐月賞2着トライアンフマーチの母)、ビワハイジ(アドマイヤジャパン、アドマイヤオーラ、ブエナビスタの母)などが、典型的なスピード型繁殖牝馬です。


 一方、メジロラモーヌ、ウォッカなどの、後天的努力によって底力を蓄えていった牝馬の仔は走らないのです。


 では、何故ビワハイジの仔ブエナビスタの仔は走らないのか。


 当ブログは、ブエナビスタはビワハイジから受け継いだスピードを有することは否定しないものの、ブエナビスタの競走成績は「後天的努力」によりもたらされたものであると考えています。なので、コロナシオンが走らないことを見抜くことができました。


 ビワハイジの現役時代を知る人も残り少なくなってきたと思います。当ブログは、1995年阪神3歳牝馬S(G1)を、ビワハイジから流してエアグルーヴも仕留め、馬連27.9倍を特券2枚ゲットしました。何とビワハイジは4番人気でエアグルーヴは3番人気だったのです。1番人気は今では誰も知らないイブキパーシヴ、2番人気もほとんど知られていない当時の評判馬ゴールデンカラーズでした。先天的スピードに優れたビワハイジのレース振りは、後天的努力により培われたブエナビスタの勝負根性とは全く別物でした。


 結局のところ、母馬の競走成績など、産駒にはほとんど遺伝しません。その潜在的スピード能力の部分だけが遺伝します。