アメリカ競馬界に、37年ぶりとなる三冠馬が誕生しました。
まずは「American Pharoah」の日本語表記についてですが、各種報道では当初「アメリカンファラオ」と書かれていましたが、三冠を伝えるニュースでは「アメリカンフェイロー」の表記が増えてきました。実際の現地放送では、筆者の耳には「アメリカンフェロー」と聞こえますので、当ブログでは「アメリカンフェロー」でお伝えします。
オーナーがエジプト人なので本意が「ファラオ」であることは明確ですが、「Wikipedia」によると「Pharaoh」で登録するはずが間違えて「Pharoah」で登録してしまったとのことです。日本でも「ラフォンテーヌ」が「ラフォンテース」、「シーバードパーク」が「シーバートパーク」になってしまった事例がありました。
アメリカンフェローは5月2日、チャーチルダウンズ競馬場で行われたケンタッキー・ダービーを四番手からバックストレッチで三番手に浮上し、直線で強引に抜け出して一冠目を制覇、バラのレイを受けました。5月16日、ピムリコ競馬場で行われたプリークネス・ステークスは突然の雷雨で泥んこ馬場となりましたが逃げたアメリカンフェローが後続を7馬身ちぎり二冠を達成します。ここまではサンデーサイレンス等、何頭もが達成してきましたが、6月6日、最大の鬼門であるベルモントパーク競馬場で行われたベルモントステークスも逃げたアメリカンフェローが後続を5馬身半突き放し、1978年のアファームド以来、37年ぶりの三冠を達成したのです。4角手前でビクター・エスピノーザ騎手が何度も後ろを振り向きますが、後続馬の手が動く中、アメリカンフェローは全くの馬なりのまま直線に向かい完勝しました。
*1978年ケンタッキー・ダービーにおけるアファームドとアリダーの競り合い。アリダーのブリンカーに刻まれれいる「CF」は、この後数奇なる運命を辿ることとなる「カルメット・ファーム」のイニシャルです。アファームドに騎乗した天才ジョッキー、スティーブ・コーゼンの直筆サイン入り。
*こちらは1978年ベルモントステークスにおける両馬の叩き合い。「CF」のブリンカーをかなぐり捨てたアリダーが外から右ムチのコーゼン騎乗アファームドに馬体を合わせていきますが、咄嗟に左ムチに持ち替えたコーゼンが内からアファームドを叩き出した歴史的瞬間を捉えた珠玉の逸品。もちろん、天才スティーブ・コーゼンの直筆サイン入りです。
*こちらはその前年、1977年三冠馬シアトルスルー。スポーツイラストレイテッド誌の表紙を飾りました。ジャン・クリュゲ騎手の直筆サイン入り。