ニッポーテイオー号の訃報が伝わっています。
長距離戦を中心に行われていた日本競馬が、スピード重視に大きく舵を切り替えたのは、1984年に秋の天皇賞が3200mから2000mに変更されたことに端を発します。
距離変更後の優勝馬は84年ミスターシービー、85年ギャロップダイナ、86年サクラユタカオー、87年ニッポーテイオーとマイルから中距離を得意とするタイプに激変します。83年以前4年間の優勝馬は80年プリティキャスト、81年ホウヨウボーイ、82年メジロティターン、83年キョウエイプロミスですから、距離変更後の様変わりぶりは一目瞭然ですね。
一方、中央競馬会発表の年度代表馬は84年シンボリルドルフ(この年三冠馬)、85年シンボリルドルフ(3200mの天皇賞・春)、86年ダイナガリバー(ダービー、有馬記念)、87年サクラスターオー(皐月賞、菊花賞)と、依然として長距離、クラシック偏重の流れは変わっていません。お役所仕事の中央競馬会には、時代の変化に付いてこれませんでした。
当時、筆者が独自に選定していた87年の年度代表馬こそ、ニッポーテイオーだったのです。「天皇賞(秋)が2000mに変更されてから4年目、新しい時代の新しい年度代表馬が誕生した。」と書いたのもいい思い出です。まだ20代の若者でしたからね。
「新しい時代の新しい年度代表馬」ニッポーテイオーが、「時代の先駆者」であったことは、現在の日本競馬の隆盛が証明しています。
*当時の筆者の競馬ノート。1987年の年度代表馬にはニッポーテイオーを選出しました。
*「新しい時代の新しい年度代表馬」。