2017年3月8日水曜日

無事之名馬


 「無事是名馬」とも書かれ、「無事これ名馬」と読みます。

 菊池寛による「造語」と言われており、時事新報の岡田光一郎氏が「優駿」1968年12月号に書いたのが始まりとも言われています。菊池寛は禅語としての「無事是貴人」を好んで使っていたようです。


 リアファルが2度目の故障を発症し、金鯱賞を回避すると伝わっています。リアファルほどの素質馬であっても、故障がちでは競走馬として大成しません。リアファルは元々脚が弱く、デビュー後しばらくは脚元に負担が掛からないダートばかり使っていましたね。


 当ブログの出資馬ルミナスポイントのデビューは、2006年2月の3歳新馬戦と少し遅れ、同年5月の4戦目までは芝を使って未勝利。4ヶ月休養して初勝利は3歳の9月2日のことでした。この未勝利戦が生涯唯一の芝での勝鞍となり、ダート短距離に転じて通算5勝をあげました。故障らしい故障は全くなく、6歳の1月まで通算23戦して8,894万円の賞金を稼いでいます。募集価格は一口45万(総額1800万円)ですから、回収率は494%になります。


 当ブログの出資馬クールランニングは1999年10月の新馬戦でデビューし、2005年7月まで通算僅か1勝ながら、20世紀から21世紀にかけて53戦を走り抜きました。全く故障はなく、サンデーサイレンスの産駒で募集価格は一口100万(総額4,000万円)でしたが、獲得賞金は1勝馬ながら2着が8回あったため4,117万円と、きっちり元本を回収しています。


 世間では、派手な活躍をするお馬さんばかりを囃し立てますが、真の「無事之名馬」とは、ルミナスポイントやクールランニングのような、素質も劣り、決して派手な活躍をしないながらも、地道に競走馬人生を全うするお馬さんのことを言います。


 人としての人生にも通じる教訓ですね。