ミホシンザン号の大往生が報じられています。
筆者の馬券歴38年の中で、最も堅い馬券であったと信じて疑わないのが1985年有馬記念です。1着シンボリルドルフ、2着ミホシンザン、連勝複式160円。
当時市川の実家に住んでいた筆者は集められる現金を全てかき集めて中山競馬場に向かいました。4万円ほどでしたが、10レース有馬記念の②-⑥に帰りの電車賃も含めて一銭残らず全額をぶち込みました。ハズれたら歩いて帰る覚悟だったのです。
レースは曲者ギャロップダイナが逃げ、シンボリルドルフは先行集団に付け、ミホシンザンは後方待機となります。三角過ぎ、ルドルフが動くと場内がどっと沸きます。更にミホシンザンがルドルフを捕えにかかり4角ではルドルフと並ぶようにして直線に向かう。
ここからルドルフが底力を発揮して4馬身引き離すのですが、ミホシンザンは内で粘るニシノライデンに迫られながらも2着を確保、歩いて帰らずに済んで電車に乗ることができました。どうしてもこのレースだけは全財産を投じたくなる、そんな思いをさせてくれた名勝負でした。
スポニチの記事によると「枠連160円は今もレース史上最低配当記録として残る」とのことです。「最も堅い馬券」と思ったのは筆者だけでなく、全ての競馬ファンの気持ちであったことをこの数字が物語っています。
名馬の追悼記事に馬券の話など不謹慎な!という謗りは敢えてお受けいたします。関係者の方々にとってはもっと格調の高い文章で名馬を送ってもらいたいというお気持ちは十分理解できますが、一般の競馬ファンは「馬券」を通じて名馬たちと接していることをご理解ください。
*スポニチのミホシンザン追悼記事には「枠連160円」の小見出しが付いています。新聞記事の掲載はご法度であることは承知の上で掲載させていただきました。問題がある場合は削除させていただきます。
*2011年10月6日、「職業野球!実況中継」に掲載したシンボリルドルフ追悼記事「皇帝」も併せてお読みください。
http://shokuyakyu.blogspot.jp/search?q=%E7%9A%87%E5%B8%9D